前回までは営業から見たお客様の視点でDXについてお話しをしました。今回は、営業から見た商品について考えてみます。小生は、営業とはお客様と商品をつなぐ仕事と考えています。その中身は、商品の提供する付加価値をお客様の業務の効率化に結びつけることです。従って、営業は商品の付加価値を認識しておくことが必須となります。勿論、多くの場合、営業が商品を作る訳ではなく、設計や開発者が商品を作りますので、営業は商品についての教育を受けることになります。営業への教育次第で、大きくプロダクト営業とソリューション営業の二つ営業スタイルに分かれると考えています。
プロダクト営業とは、商品知識を武器にお客様自身に業務効率化について考えていただく営業スタイルです。多くの商品はこの営業スタイルで販売されています。更に、このスタイルでは、業務効率化はお客様に考えていただきますので、お客様が判断しやすい商品情報が整理されているのであればネットでの無人販売も可能になります。外資系生命保険会社のとった戦略です。自動車や家電などもこのスタイルの延長にあります。
一方、ソリューション営業とは、営業がお客様の業務効率化を商品と共に提案するスタイルです、小生の目指す営業スタイルもこちらになります。「業務ありき」を標榜している所以です。商品の持つ付加価値とお客様の業務を結びつけるためにお客様業務を理解していることが必須となるからです。実は、同じ商品でも二つの営業スタイルで業績を競う場合もよくあります。先程、ネット販売を主力とした外資系生命保険会社の例をお話しましたが、同じ外資系生命保険会社でもお客様の生涯設計と銘打ってお客様の仕事環境から家庭環境、生活スタイルまでをヒアリングして保険商品を提案する会社もあります。この二つの営業スタイルを突きつけられた我が国保険会社は合併による規模拡大で対抗するしかありませんでした。既存の保険営業員をソリューション型に変容させる努力もしたようですが、従来の保険外交員の資質を変えることはありませんでした。何故なら、外交員を使うことを前提とした保険商品は、加入年齢や保障の範囲などの選択肢が多く、お客様が自分で選択することは難しく外交員の手助けが必須でした。この外交員のお客様への手助けは、お客様の業務効率化に繋がるソリューションではなくプロダクト営業における営業補助的な存在でしかありませんので、いきなりソリューションといわれても教育も組織改革も難しかったと推察いたします。少し、横道にそれましたが、開発者は販売スタイルを定めた商品教育が必須となると考えています。
このように営業は商品教育という受け身で商品と付き合い始めるのですが、商品を育て売上を伸ばすためには、営業として必ずしなければいけないことがあります、それは、お客様の欲するものを伝えることです。ソリューション営業においては判りやすいのですが、お客様の業務効率化に必要な機能を開発者に伝えることになります。このお客様要求を具現化したのがストマイズやオプションとなります。本来、プロダクト営業では商品を購入したお客様の感想が必要になりますが、こちらは営業の手を離れます。プロダクト営業は販売の一線にしかいませんので、お客様の購入行動によってお客様の欲するものを推測することになります。家電量販店に、よくメーカ派遣の営業がありますが、これは販売員の商品知識を補完する役割が大きいのですが、販売一線での自社製品の評価を開発者に伝える役割も担っています。外食産業や、コンビニなどでもアンテナショップといわれる直営店を持っているのもお客様の欲するものをいち早く察知するためのしくみです。
以上