今回は、小生が生涯を通して仕事としているIT営業についてDXとの関連で考えてみたいと思います。ITもDXも業務ツールです。コンピュータが登場し、業務システムが普及し始めた1980年には、コンピュータ万能神話のようなものがあり。コンピュータを導入さえすれば業績が上がると思われたこともありました。AI登場で、いよいよITが、人に変わる存在になるとの期待がありますが、小生は業務ツールが進化するだけで、SFにあるような人類を支配することにはならないと確信しています。何度もいいますが、電力という唯一絶対の弱点がありますので、これを克服出来る新技術がしない限りAIが人を支配することはないからです。横道にそれましたが、DXにおいても業務ツールであることは変わりません。従って、IT営業が販売する商品は業務ツールであるということです。
小生は大学卒業以来半世紀近くIT営業をしておりますが「業務ありき」を標榜しておりました。オフィスコンピュータが普及するまでの期間は、チャネル営業としてパートナー様支援をしており一般民需を担当しました。当初は会計処理が中心でしたが、やがて販売管理が主戦場となりましたので、パートナー様向けの企業会計の基礎や販売業務の基礎を指導しておりましたが、「営業は業務ではなく商品、特に価格を知っていれば良い。業務についてはSEの仕事」とよく言われたものです。小生は「営業の知るべき業務知識とSEの知るべき業務知識は異なる」と反論したものです。つまり「営業は業務ツールとして業務のどこに効果があるのかを知る必要があり、SEはその効果を実現するために業務フローを理解すべきである」と申しておりました。その後、メーカ直販の営業部隊に変わり、主に製造業のお客様を担当しました。ITシステムの対象となる業務も原価管理・生産管理からCAD(コンピュータ エイディド デザイン)と技術計算を中心とした設計業務、FA(ファクトリーオートメーション)と呼ばれた製造自動化とめまぐるしく変化をしました、その後も、LA(ロボラトリ オートメーション)と呼ばれた研究管理から製販バランス、設計・製造連携、CIM(コンピュータ インテグレイテッド マニファクチャリング)、SCM(サプライチェーンマネジメント)と進化していきました。都度、対象業務がかわりましたので勉強しました。勿論、お客様が先生です。教えていただく内容は、組織、業務遂行権限、関係部署との関係、お客様との関係など、業務改善に繋がる事項が中心になります。業務フローを教えていただく事は殆どありあません。お客様との会話の中で、IT活用に関する共感を得て業務ツールを提案することに努めていました。時代の幸運だったことは、上記に列挙した業務システムは、全て、初登場だったことから、お客様と一緒に考えることが出来ました。共感が得やすかったと考えています。
DXにおいては、業務といっても様相は変わると愚考しています。販売一線にたって営業を研究することはないと思いますが、ITと異なると考えている事項を列挙しておきます。
・ITシステムの生産管理のような統合型システムではなく、生産指示、生産調整など細業務に特化システムの組み合わせで業務システムが構築される。
・個別システム開発は姿を消してPKGやクラウドサービスが採用される。
・セキュリティ面での考慮が必須となる。
・「at your own risk」の原則で利用者責任が必須となる。
・これまでの業務処理だけでなくコミュニケーション改革との一体化が進展する。
上記を踏まえた新しい「業務ありき」のDX営業が、登場することを期待しています。
以上