お客様の笑顔 営業雑感NO.372

 今回は、前回に引き続きお客様対応におけるDXについて持論を纏めます。小生は「生涯一営業」を標榜しておりますが、営業としての最大の目標としているのは「お客様の笑顔」です。お客様が笑顔になる瞬間は様々にありますが、小生が目標としていたのは、販売した情報システムが本稼働をし、本稼働後の様々なトラブルを解決してて安定稼働をして以降に、特別の要件もなく訪問した際に見せて頂く笑顔です。

 小生の販売していた情報システムは、ハードとソフトの導入が終わり、お客様向けのシステム開発を終えて検収を頂いた時点で売上が上がります。しかしながら、お客様がシステムを導入した目的は、システムが稼働しただけでは達成出来ておりません。実際に新システムを使って業務運用を開始したことにより、それまでの業務運用から改善しようとしていた効率化などが達成されていることが検証されて初めてシステム導入が評価されます。従って、情報システムとは営業活動における売上時期と、お客様が目的とした業務改善効果の検証時期との間に1年くらいのズレが発生します。商品を販売した営業としては、本稼働が落ち着いてからのお客様の笑顔を目標としていました。

 このお客様の笑顔は、営業段階では獲得出来ません。商品を購入して使って頂いた後に獲得出来るものです。ですから、現在、販売DXとして受注や売上を確保するためだけに注力をしていることに疑問を覚えています。加えて、お客様に必要以上に負担をかけないことが大前提の筈ですが、アンケート回答や、チャットによるAIとのやりとりなど、現状では、お客様に今まで以上負担をかけていると思います。勿論、データを蓄積することで、アンケート内容やAI品質が上がることは認めますが、本来のスタートラインは、お客様に負担をかけることではなく、お客様と応対する営業の品質を上げることではないでしょうか?本来は、営業やコールセンターの窓口の方がお客様の困りごとをベテランの方の対応と同じレベルで適切に解決出来るしくみが必要だと愚考いたします。又、お客様との接点を極力無人化することを目標としているDXも散見されますが、お客様にとっては自分と自分の所属する会社を充分理解してくれている営業を求めていると確信しています。商品によってお客様と営業の間でやりとりすることは異なりますので、個別に考えるべきですが、人による営業に拘るべき商品も多いと感じています。

 先日、ある家電商品をそのメーカ直営のWEBサイトで購入しました。その後、不具合があり、サポートサイトで質問をしました。その際に、購入店や購入日、商品製造番号とその写真を要求されました、そこで、直営WEBサイトで購入したことと購入日、注文番号をお報せしましたが、その返事には驚きました。なんと、直営WEBサイトとサポートサイトは、別組織であり、サポートサイトには改めて情報を提供するように求められました。どちらも、メーカのHPからアクセスしたサイトです。販売とサポートが独立して特化していった結果ですので、今後、このような運営をするメーカも増えてくるかもしれませんが、これでは、商品サポートに責任を持っているとは言えないのでしょうか?販売からサポートまで一貫してお客様をサポートすることが、本来のメーカの仕事ではないでしょうか?サポートで集まる情報は新商品や既存商品改良のヒントが多く含めれておりますし、サポートに来る質問によって新たな商品購入に誘導することも可能なことは、これまでのITシステムでも実証されています。DXだからこれまでのやり方を変えることは認めますが、過去の蓄積されたノウハウを無視するのはどうかと思います。今後は、このメーカの商品を購入しないことにしましたが、同様の事例が増えてくるようで危惧を抱いております。

 お客様の笑顔を求める営業姿勢は、DXといえども変わらない筈です。お客様の気持ちに寄り添うDXを追求すべきではないでしょうか?

以上

2025年11月16日 | カテゴリー : ICT, 営業 | 投稿者 : csf-ishii