参議院選挙が終わりました。結果は、大方の予想どおり与党は過半数維持に失敗しました。今回は、選挙結果を私的に考察したいと思います。
先ず大変良かったと思ったことをお話しします。それは投票率が58%と高くなったことです。小生は以前から投票率は、最低でも60%を超えることが民主主義の原点と考えております。漸くこれに近づいておりますので、国民の政治への関心がこのまま続くことを願っています。一部に、これまで投票に行かなかった人達の増加とポピュリズム進展との間の相関を危惧する方もおられますが、小生は、民主主義とは住民の総意に基づいて政治が行なわれるものだと考えておりますので、選民思想に繋がるような考え方には賛同できません。
投票率の次に考えたことは、政権交代を目指した立憲民主党が伸び悩んだことが予想外でした。小生は政権交代しか今の政治を変えられないと考えておりますので残念な思いです。この背景としては、以前にもお話をしましたが、我が国には「反共産」という思想が根付いており、共産党との選挙共闘などで立憲民主が共産的と警戒されたのだと推察しています。又、穿った見方をすれば既成政党による政権交代を望んでいないのかもしれません。
参政党の伸張について思うことは、世界的な潮流として自国第一が拡がっているということです。マスコミは欧州において極右政党という表現を用いていますが、その政策や主張を見てみますとそこにあるのは自国第一主義です。参政党と同じく「国民に寄り添う」「生活を楽にする」などのスローガンも共通です。そう考えますと米国トランプも露国プーチンも中国習近平もイスラエル国ネタニアフも掲げる主張は自国第一です。何故、自国第一となるのか?ネットでは、ひたすら業績伸張を求め、その延長でグローバリズムを目指す資本主義の限界という話も多数出ております。
もう一つ参政党伸張の背景として、マスコミ報道への不信が国民的に拡散したと考えます。マスコミでは参政党について「自民党保守層の受け皿」とか「安倍支持層」の離反とかを真しやかに論じておられますが、私はそうではないと思います。代表の発言については問題がありますが、神谷氏の経歴や参政党結成にいたる過程を見ますと小生には別のものが見えています。そもそも彼は岸和田市議から自民党公認で衆議院に立候補をして落選した時点から国政に係わっています。その際の推薦者は安倍氏でした。その後、既成政党による選挙運動と県連を核とする政党組織に疑問を持った様子で、自ら全国行脚を行ない地方議員の中に同志をつのり新たな集団組織を立ち上げております。その際、既成政党取材が基本であったマスコミ政治記者からは相手にされなかったことで、SNSを使って自前の宣伝組織を構築されました。現在は党員8万の全国組織です。SNS選挙などと評していますが、マスコミから無視されたことでSNSをコミュニケーションの中心に据えた新しい政党が誕生したと捉えています。以前からインターネットと民主主義は相性がいいと言っておりますが、マスコミから無視され既成政党からはじき出された方が、新しい政党組織を立ち上げたと考えています。結果として氏のマスコミへの不信感が支持者に拡がっていったものと愚考しております。参政党への十分な取材をしない憶測的なマスコミ批判は、彼らへはマスコミ不信の証明となるものだと捉えています。
ここからは政局になると思いますが、政局ありきの自民・公明・立民・国民民主・維新・共産などの既成政党に対して、参政・れいわ・保守・みらいなどの新規政党がどのような動きをするのかを、よく見たいと思います。マスコミ政治報道も含めて、既成政党組織とその上に君臨している国会議員という政治の構造に大きな穴があくのかもしれません。小生には、単純な政権交代とは異なるものが垣間見えたように思います。次の衆院選が楽しみにしています。
以上