新Outlook注意報 営業雑感NO.348

 最近、マイクロソフトのメールソフトであるOutlookのバーションアップに伴うトラブルをよく耳にします。一番の原因は、マイクロソフトからのアナウンス不足にあると考えています。最近のパソコンはレベルアップ要求が自動的に通知されますので、セキュリティ面では最新バージョンにすることが常識となっていることもあり、安易にレベルアップをする方が多いのですが、Outlookでは、新・旧でシステム構成が全く異なっています。旧版がPCで動くオンプレ型なのに対して、新版はクラウド型です。従って、新版ではメールはクラウドに保存されます。加えて、過去のメールについても自動的にクラウドに移行されますので、長年メールを使用して過去のメールをそのままにしている方は、クラウド移行した瞬間にデータ容量不足に陥ります。そして、容量追加は有償となっていますので、予期せぬ出費となるわけです。おまけに、新版を旧版に戻すには、旧版でのバックアップから復元するしかありませんので、バックアップをとっていないユーザは途方にくれることになります。唯一の救いがあるとすれば、メールシステムのサーバに残っているメールから復元が可能です。

 ここにきてマイクロソフト社の今後の販売戦略が見えてきたように思います。つまり、パソコンの普及に伴い提供してきたソフト売上から、年間パソコン販売台数の減少に伴い、スマホやタブレットでの利用も睨みクラウドサービスに商品構成を大きく切替えてきています。Office製品もOffice365へとクラウドサービスへの移行を進めています。この動きは当然のようにも見えますが、小生は、時期尚早のように思います。マイクロソフトとしては、azureを投入してクラウドにおける基盤ソフトを抑えたように見えますが、アマゾンAWSとは拮抗していると思います。それに加えてクライアント・サーバ方式のシステムが沢山稼働しておりますので、メーカやベンダーが思うようにユーザが動かないように感じています。

 DXは、データ処理とデジタルコミュニケーションの融合が鍵になると考えていますが、現時点では、データ処理とデジタルコミュニケーションとは、クラサバシステムが残っている間は分離したままのように感じています。欧米のパソコンシステムの状況を把握出来ていませんので、なんとも言えませんが、我が国ではパソコンは当面売れていくと考えています。その中で、マイクロソフトがクラウドシフトをしたことで、Windowsが独占的に支配していたパーソナルコンピュータ市場に風穴があく可能性があるとみています。マイクロソフトもSurfaceを投入していますが、かつてノートブック型パソコンで名をはせたソニーやパナニックなどの我が国メーカや中国、インドのメーカにもチャンスが来るかもしれません。もし、これらのメーカが虎視眈々と狙っていたとするとトランプ関税は追い風になります。

 いずれにしましても、マイクロソフトはクラウドサービスに主眼をおいていますので、新製品を採用する際には、よく吟味することが必要です。加えて、これまでの個人レベルでのデータ処理を行なうというパーソナルコンピューティングの世界でマイクロソフトの絶対的ディファクトに対して、アップルの復権や新たな勢力が台頭するかもしれません。

以上

2025年6月1日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii