フジ第二章 営業雑感NO.346

 前回、組織ガバナンスとは、会議体と権限マトリックスに集約されるというお話をしました。更に、フジテレビ問題では、物言う株主からすると発生した問題もさることながらガバナンス不全であることの方が緊急課題として捉えているという見解を述べましたが、フジテレビが株主提案の役員候補を採用しないという発表がありました。今回は、フジテレビの株主総会に向けて、小生が背景として考えている事柄について整理します。

1.会社は誰のものか?

 以前からお話をしていますように、小泉・竹中によって我が国では「会社は株主のもの」であることが法律で決められております。一方、「会社は経営者のもの」であるという通念が長らく定着しております。この考え方は室町時代に商人の心得として形成されたと愚考しております。「暖簾分け」という店主や主人が奉公人に分家を与えるという構造は、まさに「経営者のもの」を具現化したものと思います。尚、この風習は中国発祥のようで紀元前の春秋・戦国時代の記述にあります。フジテレビの経営陣は、まだ「経営者のもの」と考えているように感じています。小生がそう感じた理由は、社長が会見のなかで株主提案を無視していながら「対立する意思はない」と言い切ったことにあります。言い切ったということは、経営者の考えを株主が承認するという経営者中心の考え方が見えたからです。多くの機関投資家は「株主のもの」と自覚しており、彼らは株主利益を追求するために、経営に参画するという意図を明確に持っていますので、単なる承認機関とは思っていません。そもそも、経営者と株主の対立という構造は「会社が株主のもの」である前提では存在しません。経営者は、株主の意向にそって経営することが求められており、株主が株主利益を極大化する手段として企業経営に参画するために任命した人材でしかありません。

2.株主総会

 株主総会で決定すべき事項については、前回お話ししましたように、利益配分、取締役決定、投資計画が多数決で決められます。そお中でも物言う株主がとりわけ重視しているのが取締役決定です。今回のフジテレビの株主総会では、株主提案として取締役候補が議題として提案される可能性が高いと思います。そして、多数決によって、新しい経営陣が発足し、課題解決に向けて動き出すことになります。フジ経営陣は、安定株主とよばれる経営陣に近い株主の協力で多数派を形成出来ると目論んでいるものと思われます。仮に、株主提案が採用されたとすると「会社は株主のもの」という事実を多くの日本の経営者がかみしめることになると思います。今でもその傾向はみられますが、株式会社として登記しない会社が増えるかもしれません。一方、経営陣の提案が採用された場合には、海外の投資家が我が国の企業の株主への扱いに疑問を生じることになることも考えられます。その際には、我が国への投資が現象することになるかもしれません。

 以上のように、注目されるフジテレビ株主総会ですが、結果の如何に関わらず株式市場という投資の今後に影響を与えるものになると考えています。

以上