これまでに日常業務の中に企業の付加価値の源泉があり、チームとして付加価値を意識して日々のスキル獲得などの研鑽の為にはビジョンの共有が大切であるというお話をしました。今回は、ビジョンと業績目標の関係についてお話しします。
先ず、業績目標とは言うまでもなく企業の経営方針で決まります。又、2005年に成立した会社法では明治以来の伝統的な我が国の会社法が米国型に大きく変わりましたので、現在は株主利益を見ています。その為、特に株価上昇に向けての数字が求められますので、売上と経常利益の前年比が重視されています。この企業目標が各部署に分配されたものがチームの業績目標となります。小生は業績目標とは上から降ってくるノルマと捉えています。
ノルマが決まった後にチームリーダが必ずすべきことがあります。それがギャップの確定です。ギャップとはノルマと現状から予測される数字との差分になります。ギャップの基本は前年比です。つまり前年比100%とノルマとの差分ということになります。企業活動において前年比が100%を下回ることは業績後退に直結しますのであり得ないと考えてください。尚、ノルマとなる数字は、営業部門であれば売上や利益という経営数字から分解しやすい数字となりますが、製造部門などでは原価率や在庫など指標とする数字はあると思いますが、必ずしも経営から与えられたノルマがあるわけではないと思います。その際にノルマに変わる数字も前年比となります。それは、経営目標としている売上などが前年比110%としているのであればノルマは前年比110%となり自動的に前年比10%がギャップとなります。間接部門においても残業時間抑制などの目標があると思いますので。ノルマとギャップは前年比で考えることになります。
ギャップを埋める作業が目標達成の為の施策となりますが、ここで必要となるのがビジョンです。ビジョンに顕わされているのは、チームのお客様と産み出す付加価値が明記されています。施策を考える為の第一歩もお客様との取引の前年比を見ることになります。前年比増が狙えない場合は新規顧客獲得となります。施策立案の基本はお客様の特定と競合との戦い方を決定することにあります。中小企業の多くは、お客様が限定されている場合が多いと思いますが、その際には、インナーシェアと呼ばれる特定のお客様における競合との市場占有率を上げることを目指します。
製造部門や間接部門においても同じ作業になります。ビジョン作成において、必ずお客様を決めるようにお話をしていたのは、このことに由来しています。繰り返しになりますが、お客様に付加価値を提供するということが企業活動の原点であり、日常業務の中にもお客様と付加価値が必ず存在しているということが小生の持論です。従って、業績目標は必ずビジョンの示す方向の中に存在しています。ですから、ビジョンから業績目標に向かってギャップを見つけ、そのギャップを埋める施策もビジョンに則って考えるという構図が、小生の考える日常業務です。日常業務の産み出す付加価値の明文化とそれを提供するお客様を明確にしておくことがリーダの役割の最も重要で基礎になると考えます。
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