スキルとビジョン 営業雑感NO.342

 前回、仕事のスキルとは日常業務の中の作業が出来る、出来ないで評価すべきで、評価すべき日常業務とは業務の付加価値に従うとお話をしました。又、資格はスキルを補完するものであると位置づけました。今回は、スキル獲得とビジョンは密接に関連していると考えておりますので、その関係についてお話しします。

 先ずはスキルの評価についてです。評価というと一般的には、上司が部下を評価すると考えますが、小生は、自己評価、上司評価、回りの評価の三種類があると考えています。回りの評価とは人事制度において360度評価と言われていますように、お客様からの評価、部下からの評価、同僚からの評価、業務でつながりのある関係部署からの評価、下請けや購入先などの関係会社からの評価など様々なものがあります。小生は、スキル評価においては、自己評価が主で、同僚の評価を参考としています。

 以前にもお話をしておりますので繰り返しになりますが、小生の考えるスキル評価のしくみは目標管理を使います。先ずは、各部署で作成されたスキル評価表で自己評価を行ない、一年後になりたい姿を目標とします。この時、チーム内の評価表を全て公開することで、自己評価の妥当性をチームメンバーの自己評価と見比べることで修正するというものです。上司は、スキルマップと見比べて、目標設定に介入するだけで評価の変更は行ないません。1年後に同様の評価を行ないこれを繰り返しながらスキル向上を図るというものです。小生はスキル向上の決め手となるのはスキル獲得意欲であり、意欲は各人の自覚によるものですので上司は評価ではなく指導に徹するべきと愚考しております。

 スキル獲得を自己責任としたことによりビジョンとの関係が深くなります。小生の考えるビジョンは、主語を「私か我々」とし、述語を「なになにになる」とするもので、チームリーダが部下に示すものです。つまり、チームのお客様を明確にして、お客様に付加価値を提供している姿を明示するものがビジョンです。このビジョンをチーム内で共通理解として、チームの各人が目指す姿とすることで、自己研鑽の方向性を自ら描くことになると考えています。ビジョンというと、ややもすると企業ビジョンとして標語のようなものを思い浮かべる方も多く、本雑感でもトヨタの「快適な移動空間」やセブンイレブンの「あなたのそばに」などを紹介してきました。しかしながら、ビジョンの効力は企業全体よりもチームにこそ有用と考えています。つまり、チームリーダが、商いの基盤である「お客様」に「商品」を提供していることを映像として提供することで、チームの進むべき方向性を明示するものと考えます。小生は、お客様と商品を明確にするビジョンと商品を産み出す付加価値を明確にすることがリーダのなすべき事の第一歩と考えています。

 尚、人事制度においてキャリアパスという概念があります。昇級や昇格の際に過去の資格取得状況や経歴を見るしくみです。永年勤続制を取る場合には有効な一つの方策でしたが、最近はあまり聞かなくなりました。小生は、複数のスキル獲得のレベルに応じて設けるキャリアステージという考え方に変遷していくと愚考しております。

以上