お客様と商品 営業雑感NO.338

 お客様と商品は、商いの基本です。仕事や業務というものは、全て、お客様と商品に係わっており、経理や人事・総務など、お客様と商品に直接には接しない業務もありますが、お客様と商品がなければ、そもそも、それらの業務は生まれません。「お客様には満足を提供し、売上と利益を企業にもたらすことが企業活動だ」というのが、小生の考え方です。ところが、最近のDXやAIなどの業務適用においては、お客様の満足という観点からは離れて、業務効率化が表面に出ているように感じます。そこで、今回は小生の考えるお客様と商品の捉え方を纏めます。

 お客様とのコミュニケーションについては、殆どの企業で確実に品質が低下していると考えています。その傾向が一番判りやすいのが企業への問合せです。以前は殆どが電話対応でしたので、客とすれば、とにかくサポート窓口や営業に電話をすれば事足りていました。ところが、最近は、電話対応窓口を設置していない企業もあります。多くの企業での対応を列挙します。

・電話受付はコールセンター対応で担当者に繋がる前に、自動音声によるいくつか設問に答える必要がある。加えて、電話料金はナビダイヤルを採用しておりお客様負担。

・ホームページの問合せ欄には「よくあるご質問コーナ」があり、過去の質問と対応について列挙されており、お客様は自分で探すことが求められる。問合せメールまで、なかなか行き着かない。最近は、問合せメールをあえてわかりにくくしていることもある。

・チャットを開設している企業もあるが、AI回答が併用されていることが多く、会話が成り立たないことも多い。

 これらの対応で、一番の問題は、お客様負担を増やす方向で、自社の業務効率化を狙っていることです。つまり、お客様対応工数削減や業務効率化を、お客様に手間をかけさせることで達成しようとしています。特に、AIを活用する場合には、最初は手間をかけることもあるが段々良くなると、品質低下を当初から認めているようにも思えます。

 小生は、お客様と商品の関係において、お客様に負担をかけることやお客様の動きを制御しようとすることは企業側の手抜きと考えており、お客様の動きに合わせた商品開発をすることが企業のとるべき行動と考えています。お客様の問合せについては、問合せを減らす工夫をすることが必要です。その為には、問合せ内容を吟味して商品開発に反映すべきですし、多くある操作に関する問合せについては、操作マニュアルを充実させることで対応すべきでしょう。

このように考えますと、上記のような問合せへの対応ではなく、コールセンターの機能を充実させる方向でDXを推進するべきではないでしょうか?先ず、実施すべきは、お客様からの問合せ音声を録音して自動で文字起しをすることだと考えます。コールセンター業務において最も重要なのは問合せ報告書であり、報告書作成工数の削減とその内容の充実を図ることにDXを活用すべきです。その上で、AIを活用して問合せ内容を分析することで、商品への反映を行なうという手順になると考えます。ホームページにある問合せ一覧は、コールセンターの受付担当の使うツールでしょう。操作マニュアルについても電子化されているものは多いですが、操作説明に動画を採用しているものはまだ少ないです。操作マニュアルを判りやすくすることで、問合せ件数を減らすことが可能と考えます。

お客様からの問合せの中に商品価値を高めるヒントがあると捉え、お客様からの問合せを減らすことで、お客様の満足度を測るというしくみを狙っています。お客様と商品を考える際には、常に商品側での施策を考えるというのが、小生の捉え方です。

以上

2025年3月23日 | カテゴリー : ICT, 商い | 投稿者 : csf-ishii