備蓄米放出決定で米の問題が大きく取り上げられております。米を買い占めている一部の企業が、悪徳企業のように報じられておりますが、米問題の本質は、そこには無いと考えています。マスコミでも、問題の本質に関わる報道がなされつつありますが、まだ充分とは思えません。SNSでも大きなうねりとまでは到達していません。
今回は、米問題については研究不足ですが、小生が着目している問題について、私見を纏めます。
1 農家は米では食えない
小生も最近になって知ったことでした。先日、農業関係の仕事をしている友人に聞きましたが、我々が大学を卒業した1977年の時点では「田んぼを一町持てば分限者」といわれ農家の目標とする耕作面積だったようです。それが今では一町の米は数千円にしかならないということでした。そこで、農家は稲作から麦や野菜など米以外の物に換えていったとのことです。更に、農家として食えないことから子供達は農業を継がず都会に出ていき、結果親の代で農業が終わるという現在の状況を産みました。一部には、今回の米騒動で農家が儲かると思っている方もおられるようですが、高く売ったとしても30年前のレベルに戻るだけであり農家の利益にはならないようです。
2 農協と農政族と農林省
稲作については、農協と農政族と農林省が三位一体で制御をしてきました。ここで、それぞれの責任と過去の政策について犯人捜しをしても何も産まないと考えています。一つだけ我々が反省すべきことは、自民党が隆盛を誇っている背景として、少なからず農業を重視する姿勢を示し、地方における農協の力は絶大にして政党の選挙基盤としており、少なからず選挙区割にも関係しているということを正しく理解をしていなかったことです。つまり、自民党は選挙では地方で強いというだけで、地方経済の基盤とされていた農業を担う農家の現実を見てこなかったことです。もっと早い段階で、農家の状況を知るべきだったと思います。小生には実家が農家の友人もいましたが、その話をしてきませんでした。更には、結果論とはなりますが、この三つの組織のTOPに君臨してきた方々は、農家のことも農政のことも考えず、自らの権力強化と収入増加のみを考えていたのではないでしょうか?
3 株式会社化
大規模農法を採用した株式会社化がキーワードのようにいわれておりますが、休耕地の買収は、そんなに簡単ではないようです。現在、耕作を行なっている方が売却する場合は、いいのですが、遺産売却では、一旦休耕地となった土地を農耕地として再度、土地改良を行なう必要もあり売値と買値の折り合いがつかないケースが多いと聞いています。更には、一部に海外や特定の大口顧客が決まっている場合とネット販売で販売路を開拓出来た場合は、いいのですが、販路の開拓においては、農協と既存販路が残っており簡単ではないようです。極論をいえば、食管法の改定もさることながら農協解体も視野にいれるべきと愚考しております。
4 農政は太古の昔からの永遠のテーマ
飛鳥時代の租庸調から江戸時代の年貢にいたるまで、米は長らく税の基本でした。そして、一揆や打壊しなど騒乱の原因にも米があります。現在の状況も歴史に倣うところが多くあります。但し、異なるのは、所得税に代表されるように、米ではなく金が税の基本となってから主食として税の基本とされた米の価値が大きく変わったと見ています。農家に限らず、林業や漁業なども同様です。単純にいえば、農業に関わる工数を金に換算するとすると他の端子産業で一般化している人月という労働単位が出てきます。米を父ちゃん母ちゃんの二人で半年かけて育てた場合の工数は12人月となります。現在の価格に合わせますと人月単価は数千円となり、あり得ない数字です。人月は最低賃金と深く関わりますが、現在は人月20万が最低です。
小生の意見を纏めることは、勉強不足で出来ませんが、税の基本が米から金に変わったことをふまえ、食を担う第一次産業への施策を見直すべきと考えます。
以上