今回は、前回と関連して、企業において広く普及しております内線電話の今後について考えます。内線電話を継続する手段は、キャリア閉域サービス、IP-PBX、クラウドPBXの3パターンがあります。
キャリア閉域については前回お話をしましたが。最大の課題は、電話番号が0X0-から始まる10桁の番号に変わるということと従業員全員がキャリア契約スマホを持つことが必要となることです。外部からの着信も10桁番号ですので、一般的に普及している市外局番から始まる従来の電話番号は使えません。従って、会社の代表電話などの表記も全て入替える必要があります。外線からの着信も内線同様に個人宛になりますので転送などの手間はなくなります。又、この番号は従業員一人ずつ付与されることになりますので、従業員番号とリンクさせることで、リモート勤務に対応出来る勤怠管理などでの業務改革が狙えます。従来の代表番号や電話弁号を継続して使いたい場合は、IP-PBXを導入して連携することで可能となります。
次に、IP-PBXですが、これは、従来のPBXにIP網への接続機能を持たせたもので、今後のPBXは全て、この方式のものに変わります。といいますのも、これまで電話は電話線と呼ばれる専用ケーブルで接続されていましたが、現在は全てIP網を利用しています。家庭でも光接続の案内が来ているかと思いますが、これは従来の電話線を光ケーブルに切り替えるもので、この契約をすればルータが設置されて、そこから電話線で従来の電話機や子機、FAXが接続することに加え、LANケーブルでPCなどをインターネットに接続することが可能になります。更にWi-Fiアンテナを設けることで、個人のWi-Fi環境を自宅に設けることも出来ます。この個人用の仕組みと同様の方式を持つ企業装置がIP-PBXです。企業内の従来の固定電話やFAXなどもそのまま利用しながら、企業内IP網に接続しWIFIアンテナを設けることで、企業内のスマホを内線電話として活用出来ます。勿論、このスマホは、SIM無の安価なもので構いません。且つ、スマホはWIFI接続先を切り替えることで、データ端末としても使えますので、内線電話とデータ端末の二つの機能を持つDX推進の切り札になります。尚、内線でしか使用出来着なくなったPHS電話(ピッチ)も継続して内線として使用できます。又、同一ネットワークに繋がっていれば、一台のPBXで全ての音声端末の電話交換が可能ですので、これまで内線で繋がらなかった拠点も含めて、企業内ネットワークが繋がっているのであれば、内線電話利用が可能になります。大企業が各拠点のPBXを繋げることで実施していた全社内線番号接続が一台のPBXとネットワークで実現できます。
クラウドPBXは、上記二つの機能を合わせたようなもので、従来電話番号を使えるIP電話と考えてください。つまり、キャリア網ではなくインターネット網を使って電話をするものです。留意点としては、キャリア閉域と同じくスマホを全員に持たせることが必要になります。このスマホは、データSIM付スマホとなります。又、大きな課題としては、従来の電話機が使えませんので、固定電話に代わるIP電話機新規購入をして企業内IP網に接続する必要があります。勿論、このスマホもデータ端末として兼用が可能ですが、注意すべきは、セキュリティレベルを上げる為に、電子カルテ・行政システム・人事システムなど閉域ネットワークで運用しているシステムの端末としては、インターネット接続が必須ですので使えません。
尚、内線として使用できなくなったピッチを使うsXGPという仕組みがあります。これは、PHS基地局を自営で設置するもので、インターネットとは別の帯域で使用しますので、セキュリティ面では安全です。更に、スマホ型の端末も出ておりますので、上記のような高度なセキュリティを要求される分野では有効と考えます。但し、外線とは繋がりませんので、専用トランシーバ的な使い方に限定されます。
このように、内線電話は大きくその役割を変えてきています。これまで、電話機とPCなどのデータ端末は別次元のものと考えられていましたが、DXを推進する上では、電話機能とデータ端末機能を合体することは必須と考えます。企業での電話網とデータ網の検討を一元的に行うことが必須となっています。
以上