与党と最大野党の新総裁が、石破さん、野田さんという昭和世代のお二人に決まりました。彼らは二大政党制を目指した昭和の政治改革に同じ土俵の上で臨んでおられていたのを、小生は拝見させていただいていました。昭和の政治改革を経てもなお、当時の問題点は改善されることはなく、今の問題点として顕在化しています。問題点とは、世襲と政治と金です。
当時の改革シナリオは、選挙制度を中選挙区制から小選挙区制に移行することで、米国の二大政党制に倣い、二大政党制による政権与党が常に政権交代が起こりうるという緊張感を持つことで自浄的に問題解決を図るというものでした。又、二大政党の政策としては、保守と保守的革新でした。戦後から長年続く与党であった自民党には保守的右派と革新的左派があり、当時万年第二党といわれた社会党にも右派と左派がありました。そこで、自民党左派と社会党右派が合体し、保守革新という立場であった第三党の民社党と合体して新党が結成され自民党との二大政党制を目指しました。見事、自民党からの政権交代がなされたのですが、その後の自民党が取り残された社会党左派や公明党を切り崩し、彼らとの連立で、二大政党となるべき野党の分裂を招き、更には、維新の登場などで野党が分裂したままで、二大政党は成立せずに現在に至っております。
一旦は、政権交代により政治資金規正法などが整備されましたが、自民党による上記の多数派工作により政権奪取が行われ、その後、自公連携による安定的与党体制が構築されました。結果的には、世襲と政治と金の問題は、与党であった自民党の派閥の中で昭和改革以前からの伝統とも思える形で残され、今回また顕在化したと思っています。
両党の総裁選を振り返りますと、自民党では解散したはずの派閥の論理が、決戦投票では生きていたようですし、立憲民主党では右派と左派の主権争いという図式でした。しかしながら、選挙後の両総裁の言動をみてみますと、積極的にマスコミに登場して政策論を戦わせていますし、野田さんは、明確に政権交代への意欲を見せており野党連携を明確に訴えています。昭和の政治改革の中で当時の自民党と決別したお二人が揃って新総裁となったことで、前回の失敗を踏まえて、世襲と政治と金の問題に決着をつけてくれることを期待しています。
以上