今回は、忖度という言葉で曖昧にされていますが、上司の機嫌とりばかりのヒラメ体質組織が出来上がる具体例が、兵庫県知事問題で浮き彫りになっていますので、それについて考えました。勿論、現知事問題の事実については、まだハッキリしていませんので、良し悪しを論ずる気はありませんが、ヒラメ体質組織の出来る過程については、考えやすい事例として取り上げました。
先ずは、上司の資質についてです。知事として当選した際の印象は良かったと考えています。行政改革を進める為に、単身乗り込んだ訳ですから、先ずは、仲間を増やし報道されているように取り巻きスタッフを充実させたのでしょう。更に、意思決定を自分に集中させる為に人事評価には必ず手を入れた筈で、今回、問題になっている通報者保護法に抵触するか?否か?の判断が問題となっている通報者捜しと、通報者を直ぐに処分しましていますが、これを可能にしたのは、人事権を掌握していたからに他なりません。この構造は、国家レベルでは、安倍政権時代に実施した内閣府も同様です。現知事が内閣府出身であることにも、何らかの関係があると推察いたします。人事権の把握は組織長にとってのキーポイントとなりますが、公共的な組織では人事評価が全てですから、人事を把握することが絶対的なものになります。その為、総理が自由に扱えないようにしていたのですが、安倍政権は、規制緩和と強固な官僚構造の打破を名目に突破してしまいました。今後、どの政権が誕生してもこの権利を行使できますので、小生は危惧しています。
因みに、会社法においても人事の独立を明記していますので、株式会社においては、このルールが厳密に適用されますし、通報者保護法も適用されます。
次に、取り上げたいのは、自動車進入禁止の入口まで自動車を横付けしないことを叱責した件です。知事自身が言っていますように待って居る方への配慮ということですので、その動機については、必ずしも悪いとは言えません。小生が取り上げたいのは、本人の動機ではなく、叱責された方の上司の対応です。この点については報道されていませんので、ここからは、小生の想定です。このときの上司の対応は二つに分かれます。一つは、知事と同様に叱ることです。この時点で、この部下の意識には、知事の意をくむことが必須ということを優先されることになります。もう一つは、進入禁止を貫いた訳ですから、叱責せずに褒めることです。このとき部下は、知事の意向よりも法令遵守が公務員にとっては重要となります。
ここで、直属の上司が叱責した場合には、もう一つの分岐点があります。それは、直属の上司以外の幹部の判断です。一つは、部下を褒めた上司を叱る場合です。この場合、知事と直属の上司に叱責された部下は、もう一度、法令遵守に戻れます。ところが、直属の上司以外の幹部もそれを褒めた場合は、知事に迎合することになり、ヒラメ体質へ組織は変貌していきます。更には、同様の行事があった場合には、他部署においても法令遵守よりも知事の思いが優先されることになります。今回の場合は、進入禁止は施設の規則であることから、法律に触れる場合には法律を守るので、法令遵守の姿勢に変わりは無いというのでしょう。小生は、法令遵守という姿勢を組織で養う場合には、規則を守ることが第一歩と考えます。
今回は、兵庫県庁の事例でお話をしましたが、一般企業においてもこの構造は、同じです。つまり、TOPの意向に沿うことを第一優先にする方が、評価者に拡がっていくことで急激に拡がっていきます。更には、以前にもお話をしましたが、TOPの意向に従うことを前提とした方々は、回りの変化や、お客様や関係者への配慮が欠ける傾向があり、考えない人が育つ可能性が高いので、組織は衰退していきます。
以上