IP管理室 営業雑感NO.307

 前回まで、通信ネットワークが、電信電話網からIP網に進化してきたことをお話しました。IPアドレスとはコンピュータの進化の過程で出現し、コンピュータ同士が繋がるインターネットというデータ通信網のために考案されました。更には、コンピュータを支える半導体技術の進歩によりマイクロチップとして進化していきました。結果として、家電・自動車・各種機械などに組み込まれ、マイクロチップの組み込まれた装置は、IPアドレスを取得すれば、全てインターネットを通じて通信出来ることが保証されました。この事実を、象徴的に表現した言葉が,IOT(Internet of Things)です。IOTについては、「もののインターネット」などと訳されていますが、小生は、情報システムの主役がコンピュータからネットワークに交代したことを「インターネットに繋がらないものはコンピュータではない」と以前から言っており、これを顕わしたものと理解しています。

 前置きが長くなりましたが、今回は、企業におけるIT組織を考える上で、コンピュータを時代の幕開けを象徴していた「電算室」や「情報システム部」という呼称を、ネットワークを中心とした時代に変わったことを象徴する「ネットワーク統括室」や「IP管理室」などに変更することを提唱します。業務内容としては、今話題になっております「DX デジタル化」「情報セキュリティ」「BCP 事業継承」の三本柱になると考えております。そして「情報システム部」「DX推進室」などと総務や管理部門の業務として存在している情報セキュリティや事業継承に関する業務を集約し、組織の再編統合をすべきと考えています。

 ここで管理の核とするものも、情報システムからIP網に変更することが重要です。これまでの情報システムとは、個別のコンピュータシステムに帰属したものとして、管理の核はシステムでした。従って、生産管理システムや販売管理システムなどシステム単位で資源を管理しておりましたし、セキュリティやバックアップについてもシステム毎に規定されていました。しかしながら、サイバー攻撃はネットワークをとおしておこなわれますので、個別のシステムを対象としている訳ではありません。事業継承としてバックアップを考えるのであれば、個別システムを守っても意味がありません。その為、システム全体を捉えるためには、IPアドレスを使った電話帳のようなもので、ネットワークを含む全ての情報資産を等しく管理することが必要となります。残念ながら、IPアドレスをベースとした管理ツールは存在しません。従って、現在ある情報システム単位に構築されている管理ツールと情報をIPアドレス台帳に集約することが必要になります。

 一方、電話を中心としたコミュニケーションを見直すことも重要になります。SNSをコミュニケーション手段の基本としている人達は、あまり電話を使わないそうです。内線電話による連絡も内線チャットのようなもので置き換えることで、音声コミュニケーションは減少するように思います。働き方改革と叫ばれていますが、電話中心からチャットへと業務連絡手段が置き換わることがその本質にあるようにも感じています。ご存じのようにリモート会議もチャットも文書の共有も手軽に行えます。これまで、文書はFAXやメールで事前に送付して電話で会話するというような手間も省けます。

 コミュニケーション改革と情報システムとの融合がDXであり、「人・物・金」に追加された第四の経営資産として位置づけられた「情報」を、「DX デジタル化」「情報セキュリティ」「BCP 事業継承」を行う部門が、「IP管理室」と小生が名付けた組織です。その手法もまだ確定していませんが、企業経営においては先手必勝と考えます。

以上

2024年8月4日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii