AIの今後 営業雑感NO.301

 先日、日立製作所の株価が高騰していることが話題になっておりました。株主総会では、社長がAI分野への投資を拡大していくことを宣言されておりました。取り上げていた報道番組では、日立製作所の新たな製造分野への転換というテーマで取り上げておりましたが、メーカ出身の小生としては、共感する部分もありました。

 今回は、AI分野の今後について、持論をお話します。小生は、歴史は繰り返すと考えており、ITについては、コンピュータの進化の歴史が下書きになると考えています。そこで、コンピュータの進化とAIの状況を重ね合わせて考えてみます。

 コンピュータの前身は計算機として登場します。映画にもなった「エニグマ」は、ドイツの世界一の暗号機でした。映画は、この暗号を解読できる暗号解読機の開発経緯を開発者の人生に重ねてその死までを描いたものでした。このように、計算機は、計算回路を暗号用、経理計算用、統計用などの分野別専用計算機として拡がっていきました。その後の技術進化で、論理構造を記述したプログラムがハードウェアに命令を伝えて実行させるというソフトウェアという概念が登場しました。ここで、計算機は、計算回路としてのハードウェアと論理構造を決めるソフトウェアを分離したコンピュータに進化しました。

 最初のコンピュータは、計算機が発展したものとして電子計算機として登場します。やがて計算分野は、金額計算を中心とした事務系と統計や技術分野での数値技術を中心とした技術計算系の二つのわかれ、それぞれの分野で、メーカ各社が競う状況が生まれてコンピュータ市場が形成されました。

 今のAI業界は、まさに、この状態だと考えています。文書生成AI、将棋などのゲーム、画像生成AI、画像解析AIなど、様々の分野で専用AIが乱立しています。

 コンピュータは、その後、IBMの登場で汎用機の時代を迎えます。汎用機戦略は、大成功を収め、世界の6割のシェアを占める巨人へとIBMは成長し、その後も、米国がITを席捲する現在の状況を産み出しました。汎用機とは、ソフトウェアを更に進化させることで、プログラム次第で様々な分野に対応出来るようにすると共に、計算回路の高速化を推進することで、専用機を凌駕するというものでした。この時代は、半導体と計算回路とソフトウェアは全て自社開発でしたから、大きな差がつきました。プログラム次第で動くということで、使用者次第で自由に使えることが使用者からも評価されて市場を独占していきました。

 AIも、間違いなく汎用機の時代に入ると考えています。現在のAIは、AIを動かす命令は、それぞれのAIによって異なっており、得意とする分野にあった命令を開発ベンダーから提供されています。AIをより進化させていく為には、使用者の個別事情に対応するための命令を作成する必要があります。その為、この命令をAIベンダー毎に合わせるのでは、開発者が育ちません、従って、オープンAIなど、文書や画像などの分野別にTOPベンダーが決まっていくことは顕かです。しかしながら、IBMのようなあらゆる分野で使用できるAIが登場する予兆はつかんでいませんが、学習機能やAIエンジンを自ら改修する機能、更には、実行プログラムを自動生成するAIなども登場しておりますので、それらの機能を君合わせた汎用AIが、近い将来に登場すると考えています。尚、コンピュータでは、企業向けから個人向けとしてパーソナルコンピュータが登場した歴史を持ちますが、今の世界は、最初から個人ありきですので、こちらの変化はないと考えます。

以上

2024年6月23日 | カテゴリー : ICT | 投稿者 : csf-ishii