前回までにネット社会の登場で、経済活動にも個人が重視される大きな変革が来るとお話をしました。それでは、大企業がどのようになっていくのか?を考えてみました。
大企業の定義とは、いうまでもなく従業員数です。従って、人手集約型の企業ということになります。製造業で見てみますと、円安で過去最高利益を上げたトヨタに代表される自動車産業では、大量生産に裏打ちされた大規模工場で多くの従業員が採用されています。ロボットやFA(ファクトリー オートメーション)を時代に先駆けて適用していますが、購買、製造技術、生産管理、工場管理など多くの従業員が必要とされています。家電や半導体なども自動化は進展しているものの人手集約であることに変わりはありません。このように製造業においては、大企業が生き残ることになると考えています。
流通業においては、運輸は人手集約が続くと考えますが、物販については、ネット販売の拡大により、店舗の存在意義が問われますので、これまでのように、必ずしも大企業が有利という訳にはいかないと考えています。但し、ユニクロ・無印などに代表されますように製造販売型の企業の台頭は続くと考えています。ワークマン・アイリスなど、特定分野に特化した新しい物販の形も生まれると考えています。
期待も込めて大きく変わると想定しておりますのは、一次産業です。これまでは、農家や漁師など個人に依存した生産体制の上に、流通と個人融資を担う協同組合によって支えられていた産業構造でしたが、養殖に代表される海産物の産業化、休耕地や後継者不足からくる大規模農地の確保が可能となった農作物の産業化、更には、鮮度を保つ技術革新による海外への販路拡大など、新しい大企業がうまれる土壌があります。
元々、大企業に集約されているエネルギー関連については、地産地消型の循環型エネルギー供給による産業構造の変化はあるでしょうが、国家産業でもあることから、当面は、大きく変わることは難しいと思います。マスコミ関連についても、ネット社会が進展するとはいえ、報道・エンターテインメント含めて、これまでの産業は継続すると考えています。
但し、大企業を支えてきた事務職については、大きく変化する可能性があります。事務職の大きな役割として経営の意思決定を支える情報集約と整理分析については、AIの活用が進展すると思われますし、伝票処理を中心とする現場支援業務についてもグループウェアの進展でIT化が進むと考えております。従って、顧客対応を行う営業職以外の事務職については減少傾向となる筈です。大企業における職種構造の変化が何をもたらすのか?については、小生にはまだ見えておりません。
事務職改革の意味では、行政機関こそが大変革の可能性を大きく秘めた組織です。政治がらみにはなりますが、行政の業務改革こそが、我が国のDXの鍵を握っています。以前からお話をしていますが、マイナンバーについては、ここに特化して、先ずは推進すべきと考えております。
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