前回までにネット社会では、個人が重視されるというお話をしましたが、これまで大企業が牛耳っていました様々な経済活動も個人が優先されることになります。ネット社会が出現してから有名になったインフルエンサーやブロガーやユーチューバなどは、全て個人企業といっても差し仕えがありません。
彼らの多くは個人でサイトを運営しています。例えば、お笑いや音楽などのエンターテインメントの世界では、これまではスキルを持った人を発掘し、効果的な宣伝活動を行うプロデューサーが必須でしたし、吉本興業やホリプロ、解散したジャニーズ事務所など大手プロダクションが業界に君臨しておりました。ここに風穴を空けたのが、エンターテインメント系のインフルエンサー達です。エンターテインメント業界では、テレビを中心としたマスコミ業界や広告代理店業界に加えてCD/レコードといった音楽業界があり、関連するこれらの業界の全てに影響を与えることは個人では無理でした。ところが、最初に音楽業界がネット配信にとって変わられました。マスコミもネット社会が高精細の画像を手に入れた上に、個人でも手軽に使える編集ソフトが普及したことにより、急速に弱体化していくと思われます。ここに拍車をかけると考えていますのがAIです。といいますのも、音楽や映像には編集作業が必須であり、歌手や演者だけでは、どうにもならないスキル分野がありました。この分野の人達を音楽会社のプロデューサーが抱えることで演者への差別化を図っていました。この演出分野のスキルは,AIにとって変わられる可能性が高い分野です。これまで自由に演出をさせて貰え無かった新人演者が、自らAI演出を行うことが可能になりました。加えて、演出家達も個人で演者と組む動きも始まっています。
上記を振り返りますと、エンターテインメント業界においては、演者個人の権限が拡大していく方向にあります。その中で、これまで業界を形成していた職種も大きく変化していき、長らく業界に君臨していた企業も淘汰されていくと思います。
エンターテインメント業界で起こっていることは、全ての業界で起こります。流通業界ではアマゾンや楽天などのネット通販が最初に登場しましたが、メルカリやYahooというオークションサイトの登場で個人販売の形態も整いつつあります。この分野は、もう一歩進むと考えています。それは、個人の製造直販型ビジネスモデルが進展すると考えています。農林水産業から製造業まで全ての業界で登場する筈です。農業においては、個人農家が農協や市場を通さずに直接消費者に農作物を提供するビジネスが、既に始まっています。一人製造業の鍵を握るといわれていました3Dプリンターの技術革新が進んで、衣服などアパレル製品から各種部品、住宅まで作成出来るようになりました。小生が注目しているのは、メンテナンス業です。こちらも部品供給がカギとなりメーカ直営が主流でしたが、3Dプリンターを活用して個人でメンテナンスを行う方が多くなると予想しています。追い風となっているのは、企業を退職した技術者の存在です。彼らが、細々と始めたネットによるオーディオ修理やカーメンテの請負が確実に立ち上がっています。
抵抗は強いと思いますが、行政と政治におけるネット革命も間近に迫っています。以前からお話をしていますように、民主主義とネット技術は極めて相性がいいと考えています。戦争反対の若者の行動が注目されていますが、この動きが、紆余曲折はあると思いますが、ネット社会での革命を起こす可能性がないともいえません。現実となれば、ネット情報を市民が共有することにより発生したジャスミン革命「アラブの春」の第二幕となる可能性があると愚考しています。
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