今年も入社式シーズンを迎え、新社会人の意識の中に終身雇用を希望する方が1割程度と少ないこが話題になっております。その背景として、仕事のやりがいを求めて転職することや、自分のスキル向上を目指すことがあげられておりました。加えて、家庭を大切にしたいという意識が高いことも報告されています。
家庭重視ということは生活環境を同一にすることになりますので、住居という意味での土地に関係します。但し、転職のしやすさを考えた場合には、企業が集中していることが有利になりますので、上記の傾向がある新社会人は、大都市への人口集中を促進することになります。
本来、仕事と家庭のあり方については、個人が選ぶべきものですが、上記のような個人のスキル重視で仕事を選択するキャリア制雇用を希望する場合は、故郷から離れて都市に住むことを選択することになります。更には、職務スキルの獲得については、現場経験が必須となりますし、指導者の存在も大きく影響されます。経験と指導の両立を行えるのは、企業内教育でしか得られませんが、そこには上司との関係において運不運もあります。又、キャリア制の雇用制度を持っている企業は多くないことも承知しておいて欲しいと思います。キャリア制雇用が拡がっていない背景として、税金・年金・健康保険・失業に関する法制度がこれまでの日本型経営の特長である終身雇用を前提とした制度のままになっていることがあげられます。政府は米国型キャリア制企業による資本主義を目指しておりますが、肝心の税金・年金・健康保険・失業に関する制度変更には、まだ着手も出来ていないと思います。小生としては、終身雇用とキャリア制雇用を企業の経営方針に任せて、選択出来る制度が生まれることを期待しています。
上記を踏まえますと、企業は雇用方針として、終身雇用と職務スキル重視キャリア制の二種を最初に選択する必要があると考えております。この二つの雇用方針の違いにより、賃金体系、人財育成、福利厚生などの人に関する経営施策は全く異なってきます。キャリア制を採用している著名な企業はリクルートグループです。退職金にかわる独立支援、スキル認定賃金など、これまでの日本企業にはない制度を持っています。一方、終身雇用を採用している企業においても、社内保育園、従業員子息向け奨学金など新しい福利厚生のしくみが出現しています。
地方経済の活性化の為には、終身雇用を採用されている企業が必要です。これまでの大企業の出先機関の誘致ではなく、地域での起業や、終身効用制度を採用している企業への優遇策などが必要になると愚考しております。組合との調整も含めて第一次産業の企業化支援なども有効かと思います。
憲法で保証されている仕事と家庭に関する選択の自由ですが、都市居住と地方居住、家族のあり方、仕事に求めるもの、時代の流行も含めて、インターネットの登場で新しい価値観の基で多様化が進むと考えています。その為にも政治の刷新を期待します。
以上