地元の念願であった福井への新幹線延長が話題になっております。確かに経済効果はあると思いますが、ストロー現象といわれております移動手段の改善による人口集中についての検証が軽視されているように思います。前回、資本主義の進展により、大都市への人口集中と地方の過疎化について触れましたが、間違いなくこの動きを助長しています。
少し前の話になりますが、九州新幹線が博多から鹿児島まで延長されて以降、博多への人口集中は加速されました。観光需要についても、開通当初は鹿児島が活性化していましたが、熊本は通過されてあまり活性化していないなどと話題になっていました。熊本は、その後の被災により復興中心になっておりました。今回の台湾企業誘致による半導体景気が続くことを祈ります。横道にそれましたが、新幹線延長と地域人口・経済の分析をしていただきたいものです。どこかの大学で研究されていると思うのですが寡聞にして把握していません。
具体的な検証研究がなされていませんが、大阪・中部の経済圏が東京に集中した原因の一つに東海道新幹線があったと愚考しております。昭和時代には、三大工業地帯として、京浜工業地帯、阪神工業地帯、中部東海工業地帯が存在し、お互いに競っておりました。当時は、松下、シャープ、日本生命、トヨタなど、錚々たる企業も大阪や名古屋に本社をおいていました。現在は、大企業の殆どが本社は東京においております。市場が海外に拡がったことにも影響をうけていると思いますが、人口集中とも関係があるのではないでしょうか?
大阪万博を推進している方が、医療の先端技術を世界に知らしめることで、医療産業を中心に据えて関西経済の活性化を狙っているとお聞きしています。江戸時代から江戸とは異なる上方経済圏を確立し、維新の際にも五代友厚を中心として大阪商工会議所が関西経済圏を隆盛に導きました。伝統ある関西経済が、東京中心に変化していった経緯を、もっと研究すべきと考えています。
地方経済発展と人口推移に密接な関係があることは、大牟田(三井)、長崎(三菱)などの企業城下町の変遷にもあらわれています。又、シャッター商店街が出現した背景には、大資本によるショッピングセンターが地域の商店を直撃したことも大きいでしょう。地域が活性化をしていくには、工業・商業だけでなく、農林水産業もバランスよく存在することが必要でしょう。教育や医療、介護も必要となります。人口と産業は「卵が先か、鶏が先か」の問題のようにも見えます。
インターネットは、情報を司りますので、大規模なもの作りには、直接は関係しません。しかしながら、営業面では、消費者と生産者を直結することが可能ですので、個人のもの作りを支援することは得意です。企業の事務職についてはリモートが普及しました。教育についてもリモートが進むと考えています。小生の考える地域活性化とは、大企業による経済活性化ではなく、小さな生産者が世界中の消費差と繋がることによる小さな産業が乱立することから始まると考えています。その為には、新しく流入してくる人材が必要ですので、医療や教育など家族が安心して暮らせる環境作りこそが必要と愚考しております。
以上