前回、日本経済の停滞を招いた原因は、自らの権力維持を中心に考えていた政党に長期政権を委ねたことにあります。その結果、規制と補助金により統制された経済市場において、その場限り矛盾だらけの政策を許しました。更には、年金制度の破綻、少子化やエネルギー問題など、国家的課題が先送りにされています。そして、それを招いた元凶は、その政党を選択し続けていた、政治無関心の小生を含めた昭和世代の国民にあると論じました。
日本を変えていく為には、きれい事になるかもしれませんが、一人一人が仕事に精を出すことが第一歩になると考えます。これまでにも「仕事のやりがい」については、成果と評価や仲間意識などで本雑感でも取り上げましたが、今回は、原点に返って仕事を考えてみます。
仕事には必ず相手がいます。仕事の本質とは「相手に何を提供するか?」を理解することだと思います。それを理解する近道は「相手に聞く」ことです。前任者からの引き継ぎや、会社の規定などで仕事に内容は定められていると思いますが、自分の仕事として消化する為には、相手に求められているものが何かを聞くことです。多くの場合、仕事は、次の仕事に繋がっていますので、次の仕事への影響も含めて聞くことで、仕事で提供すべき物の本質が見えてきます。
小生の昔の経験をもとに、少し、具体的に書いてみます。小生は、長年、コンピュータの営業をしておりました。当時は、コンピュータの性能で購入が決定することもあり、提案書には製品カタログのように性能諸元だけを書くことが多かったものです。又、当時のコンピュータは設置するための専用の部屋や電源も必要でしたので、契約後に設置レイアウト平面図や電源仕様と電源系統図も添えて提出しておりました。そこで、提案に際して工夫したことは、見積書にこれらの図面を合わせて提出しました。この背景は、お客様は、提案や見積を取得して購入稟議を作成しますので、これらの図面を提出することで、その仕事を助けることになると考えました。今でも覚えていることは、或る先輩が、紙で機器のミニチュアを作成して提案し、見事、受注したということです。お客様は、このミニチュアを使って経営会議でプレゼンをしたそうです。提案という仕事と稟議作成という仕事を合体させて考えた結果でした。
尚、当時のコンピュータビジネスでは、業務を遂行する為のプログラム作成は、基本的に納入メーカSEの仕事で、その開発費もコンピュータの価格に含まれておりました。その後、プログラム開発費は独立して見積に計上されることになり、経費削減の考え方から、お客様がプログラム作成を行うことも一般化していきました。更なる経費削減を目指して、プログラム作成を行わない業務パッケージも出現しました。その頃から、小生は、提案書には、必ず、お客様の業務フローを入れることにしました。それは、コンピュータビジネスが、業務効率化を直視する時代に変わり、稟議作成においても業務効率化を中心とした導入効果を論じる時代に入ったと考えたからです。小生が、ITシステム導入は「業務ありき」と、常々言っております所以です。
以上は、お客様を相手にした仕事でしたが、社内業務の場合も同様です。社内業務の場合は、仕事の中身も伝票処理・日報作成・予実管理など様々です。その一つ一つで相手も異なることが想定されますので、聞く相手も増えると思います。「仕事の本質は、仕事の相手に聞く」を今でも実践しています。
以上