自営と委託 営業雑感NO.279

 今回は、業績を伸ばしている企業に共通していると小生が感じていることについて、掘り下げてみます。それは、自営による商売の一元化です。いくつかの企業の動きを見てみます。

 先ず、ユニクロです。以前からお話をしていますように、ユニクロでは、デザインから縫製まで、全て自社でまかなって商売をしています。以前は、中国に縫製を委託していましたが、今は、アジアに直営縫製工場を持ち、ニューヨークとパリにデザインセンターを持っています。

 次に、ニトリです。こちらも、家具については、自社一貫生産方式です。家電製品などは提携企業から納品されているようですが、あくまでも自社ブランドで販売されています。更には、トヨタかんばん方式の採用など、生産技術に注力されています。

 最後は、外食のサイゼリアです。ご存じのように価格で、他の外食チェーンと差別化をされています。セントラルキッチン方式を採用されていることはご存じでしょうが、食材にいたるまで、自営に切り替えておられることは、ご存じない方が多いのではないでしょうか?つまり、自営で農業や畜産を行われています。

 これらの企業を観察して気付いたことは、自営についての概念が、これまでの付加価値理論だけではないということです。つまり、自営と委託を判断する際に、付加価値を重視するのであれば自営を採用し、利益を重視するのであれば委託を採用するという従来の考え方では判断されていないということです。

 最近になって、この経営判断の基になっているのは、目的指向にあるのではないか?と気付きました。つまり、ユニクロにおいては、国民の平均所得層をターッゲットとした衣料品の提供にビジネス領域を限定しています。ニトリもサイゼリアも平均所得層をターゲットとしています。加えて、目的指向が強い為に、QCDを追求されていますので、自社の求める価格や品質、納期を達成できるものを追求します。その結果として、自営を採用されているように思います。何故なら、事業の目的を共有するためには、社員としてビジョンを共有することが最も有効だからです。提携条件などを整えることで、委託においても目的共有はできますが、その際には、委託の目的を確認することが必須となります。加えて、競合なく目的を共有するためには、相互に付加価値を持って対等な提携を行うことが必要と思いますので、委託先を選定するハードルが高くなります。。

 一方、インターネットによって、顧客との接点を充実させることが可能となりますので、今後は、目的指向による製造直販型の自営が増えていくように感じています。ネット企業においても、その傾向は既にあらわれており、グーグル、アップル,アマゾンなどが、端末やクラウドセンター業に事業を拡大している背景もここにあると感じています。

 目的指向による委託についても研究が必要ですが、必ず、出現する筈です。既に、出現しているかもしれません。目的指向での経営について、継続して観察することにします。

以上

2024年1月21日 | カテゴリー : 商い | 投稿者 : csf-ishii