フロッピーディスク 営業雑感NO.197

 誤送金問題に関連してフロッピーディスク使用について前時代的との批判を耳にしますが、これには違和感を覚えています。今回は、フロッピーディスク(以下、フロッピーと略します)を記憶媒体として捉え、記憶媒体の変遷について考えてみます。

 先ず違和感の中身ですが、記憶媒体としてのフロッピーは現役です。確かに身近なパソコンなどではフロッピーは殆ど見かけなくなりましたが、それは内蔵装置として採用されなくなっただけで、外付け周辺装置としては継続販売されています。従って、最新OSでもフロッピー装置用のドライバーはサポートされています。その背景にあるのが、産業機械に代表されるソフトプログラム制御機能付き装置の存在です。これらの装置は10年以上使われるのが当たり前です。場合によっては20年以上使われる装置もあります。これらの装置は、プログラム更新やデータ入力には導入時と同様に今でもフロッピーを使っています。但し、現役のフロッピーは3.5インチ型のみです。8インチや5インチのフロッピーは、データ互換のある3.5インチに淘汰されています。ご承知のように8インチや5インチとは異なり3.5インチはプラスチック製のカバーで記憶媒体である薄い円盤型磁気フィルムはガードされており、読み取り部分も開閉式になっています。3.5インチは、小型化だけでなく堅牢性も備えたフロッピーとしては最終形の記憶媒体になっています。

 以前にもお話をしましたが、ITにおける記憶媒体の進化は著しいものがあります。フロッピーのような可搬性のものに限ってみますと、紙テープ、80欄・98欄カード、磁気ディスク、磁気テープ、フロッピー、レーザーディスク、CD、DVD、SDカード、USBメモリなど、めまぐるしく変化し、短命に終わった媒体もあります。技術進化の方向性は、大容量化、軽量化、小型化となります。

 IT出現以前の記憶媒体は、壁画から始まり、石版・木簡などから紙になり、写真・映像フィルムと進展しています。基礎技術から考えますと、文字情報、光学情報、磁気情報という流れと愚考しております。大容量化、軽量化、小型化という課題については、それぞれに取り組まれていますが、ITの出現で大きく磁気情報がリードして現在に至っています。

 しかしながら、記憶媒体におけるもう一つの役割である保存期間においては、文字情報、光学情報にまだ一日の長があります。つまり、磁気情報は、今の媒体技術では、磁気が長期間放置することで微弱化しますので、保存期間は長くても100年程度です。IT技術により太古の文字情報が復元され、映像情報が精細化、カラー化されています。勿論、復元された情報は、基の文字情報、光学情報として再保存されることを考えますと皮肉な状況とも考えられます。

 又、情報の信憑性においても、磁気情報の特長である書き換えの容易性が禍しています。フェイクニュースが取り沙汰されていますが、千年後の世界で磁気情報がどのように扱われているかを考えますと不安を覚えます。

 以上のように、磁気情報を文字情報や光学情報と同等の保存期間・信憑性を備えた情報として扱える媒体の出現が待たれます。更には、磁気情報の変わる新しい情報保存の方式がでてくるかもしれません。有機技術が絡んでくるように愚考しております。

以上