今回は、AIの今後の方向性について私見を述べます。今後10年程度は専用品としてのAIの進化が続くと思われます。顧客自らがAIエンジンを活用して業務AIシステムを開発する時期は、まだ遠いと考えています。IT業務システムの進化の歴史は、最初に自社システム開発があり、その後、PKG(パッケージシステム)が登場して自社システム開発が衰退し、今はPKGからクラウドサービスへの過渡期という流れでした。しかしながら、業務AIシステムでは、逆の流れで、クラウドサービスに組み込まれるものが先ず普及し、自社開発が可能となるのは、最後になると愚考しております。
といいますのもAIの対象となる分野が、業務システムだけでなく、家電制御などの製品組み込み型、ゲーム、ネット検索や顔認証などの専用システムと広範囲であり、それぞれの分野において競争と進化が起こると考えているからです。加えて、AIのキーとなる過去データの収集についても、クラウドサービスでは、複数のお客様のデータを一元管理できますので、個別システムで収集するよりも圧倒的に有利です。
更には、クラウドサービスでは、PKGで主流となっていました業種別システムや経理・人事などの業務別システムだけなく、請求書発行や旅費精算などの単一業務システムから、本人確認などの認証局、インターネット上でのアバターなど、従来とは異なり、より細分化された特定業務を対象とするサービスが増えると考えています。従って、AIエンジンについても特定分野に特化したものとなるため、開発が進む筈です。
以上のように、ITシステムの延長にある業務システムでの進化は、クラウドサービスに組み込まれることにより、AIエンジンも進化していき、その延長に、開発言語や過去データ蓄積の方式が標準化されて、自社システムに合わせて開発出来る時代が来ると考えます。
一方で、IOT機器や家電、車、医療機器、各種センサーなど、ハードウェア組み込み型AIも、上記とは別に大きく進化する筈です。この分野では、AIと同時進行でロボット化も進展すると考えています。AIとロボットの究極の形は、鉄腕アトムだと愚考しております。小生の考えるAIエンジンの三つ機能の一つである結果表示において、鉄腕アトムのように人間の五感に直接訴えることが究極と考えた次第です。加えて、過去データ蓄積及び新規データの取得においても、五感を使うこともより人間に近いと考えています。余談ですが、我が国は、鉄腕アトム、鉄人28号などの漫画の影響を源流とし、マジンガーZ、仮面ライダー、マクロス、ガンダムとアニメなどを観て育ったからか、二足歩行擬人化ロボットの研究が盛んです。一方、海外は、より現実的に、業務に特化した形態のロポットの研究が進んでいます。よくご存じのように、イルカや馬など動物に似せているものもあります。お掃除ロボなどが、その典型と考えます。小生としては、人型ではなく、用途別の形状にロボットが進化すると考えています。人型の分野では、ウェアブル型のサポータ的な装置が進化していくと考えており、鉄腕アトムは、まだ遠いという見解です。
以上