本雑感はNO.1「方針ありき」で始めました。小生は、リーダとしての最初の仕事は、基本方針(ビジョン)を部下に示すことだと考えています。先日の選挙でも各党共にビジョンを掲げていましたが、小生の考えるビジョンとは少し異なっておりました。選挙に限らずキャッチフレーズのような標語をビジョンとして掲げることも多いので、今回は、小生の考える企業の組織長として掲げるビジョンの作り方についてお話しをします。
各企業ともに経営戦略としてビジョンを掲げていることは多いと思います。しかしながら各組織やチームでビジョンを掲げることは、まだ少ないと思います。一方で、大半の企業では、業績目標は予算として全社及び各組織で決めています。そこで、小生の考えるビジョンと業績目標の関係を整理しながらビジョンメイクを考えます。
業績目標は前年業績からの伸長率をベースとした短期・中期目標です。従って、売上、利益、経費など経理的な経営指標に直結しています。ビジョンは長期もしくはチームの存在が続く限り永遠に固定された目指すべきチームの姿で、経営指標とは関係していません。更に言えば、業績目標は全社で決められた数字が各部門に割り振られることが多く、トップダウンでリーダに与えられますが、ビジョンは全社ビジョンに沿いながら自部門に当てはめて、リーダ自らが言葉にする必要があります。
ビジョンは、「私は」もしくは「我々は」を主語とし、「・・・になる」という述語で終わることは、これまでにもお話しをしてきました。これに加えて「誰に」と「何を」を書くことをお勧めします。「誰に」とは、企業の4つのステークホルダー(株主・お客様・従業員・社会)を決めることになります。お客様第一を掲げている企業においては、部門によってはお客様が決まっている場合もあるでしょう。その場合は顧客名をそのまま部門のビジョンに記述することになります。「何を」とは、そのチームが提供する付加価値を明確にすることです。例えば、IT関係のソフト開発及び運用支援を行っている会社で、特定の顧客をサポートしているチームの場合、「我々は、A社に対してITを安心して使用できる環境を提供するチームになる。」というような表現になります。
又、ビジョンと一緒に考えることが多いものが行動指針となります。ビジョンを実現するためにメンバーにわかりやすく伝える手段として示されます。一見、ビジョンから独立した家訓や創業者訓として掲げられていることも多いのですが、行動指針の背景には、必ずビジョンがあり、多くの場合、行動指針からビジョンを考えることは容易なものです。チームのビジョンと行動指針を共に考えることで、ビジョンがより明確になることもあります。
最後に、業績目標とビジョンを関連付けて具体的に掲げられる年度部門目標についてお話しをします。年度部門目標は予算として掲げられ各部門でその実現に向けて戦略目標が決められます。その戦略目標のなかには、スキル獲得やチーム力向上、顧客やパートナーとの関係性強化など、売上などの業績数字とは直接関係しない項目を掲げることも多いと思います。これらの項目を考える下敷きとなるのがビジョンや行動指針です。ビジョン実現に向けて行動をした結果として業績を獲得することになります。
小生はビジョンメイクこそが、リーダとして資質の最も重要なスキルと考えています。勿論、前任者の残したビジョンを継承する場合もあると思いますが、最初にチームビジョンを考えることをリーダに求めたいと思います。
以上