今回で100回の区切りとなります。小生は「生涯一営業」を生業としております。そこで、小生の考える営業の誇りについて纏めてみました。
先日、尊敬する技術OBとお話しをする機会があり、その方としては、長年、営業が嫌いであったというお話しをお聞きしました。その理由として、以下の二つを話されました。
第一には、技術者が良い製品を作れば勝手に売れる筈である。
第二には、お客様一辺倒の御用聞きのようで仕事に誇りが見えない。
小生の反論は、第一の理由については、良い製品を作った技術者の口癖で「この商品は、どこにでも売れる」と言うが、商売においては、「何でも出来ますは何も出来ないと同義」であり、製品が最大限の付加価値を発揮する市場を見つけるのが営業の仕事とお答えしました。これは、小生のマーケティング理論の根底にある「ニッチチャンピオン」という考え方であり、先ずは、どこか限定した市場でトップシェアをとってから、市場を拡げていく方法で、市場を限定する項目として、業種・業務・地域・規模を上げています。
さて、第二の理由への反論が、今回の主題です。確かに、お客様に入り込む為に、お客様一辺倒になることはあります。しかし、営業の誇りを貫く為の一手段に過ぎないとお話しをしました。小生の考える営業の誇りとは、「常に、お客様にとって最良の提案を行う」ということであり、「お客様の笑顔を見るために働く」と常に言っています。商売は、お客様と営業と商品が揃わないと成立しません。この商品と営業の関係において、メーカ営業と商社的営業(販売に特化した営業)では、最良の提案の為の方法論が、大きく異なります。
メーカ営業の場合は、お客様の要望や使用目的を技術部隊に伝え、製品に反映させることが求められます。又、製品がお客様要望に合わない場合は、使い方や、新しい提案をすることを考えなければなりません。又、競合分析にしても、自社製品の強み・弱みを把握する必要があります。最終的に、Q(品質)Ⅽ(価格)D(納期)のいずれかで他社を凌駕することが、最良提案にとっては必須となります。小生は、技術が産み出した製品をお客様に判り易い商品に変える仕事が、メーカ営業にとって最も重要な役割であると考えております。
商社的営業の場合は、お客様の要望や使用目的に合った商品を複数の候補から探しだして提案することになります。その意味では、メーカ営業よりも選択肢は拡がります。但し、その分だけ、自社の強みを付加価値として商品に付け加えることが必要となります。最も一般的なものは商品に関するサポートです。ユーザ教育、サポート体制、サポート時間、サポート価格などになります。留意すべきは、特定のメーカとの緊密性をうたう場合は、上記、メーカ営業と同じこともする必要が出てきます。その為、どのメーカと付き合うべきかを、日頃から考えることも重要と思います。
最良の提案をする為の方法は、メーカ営業と商社的営業では、上記のように異なりますが、共通的に必ず行うべき営業行為があります。それが、お客様の要望や使用目的を的確に把握することです。お客様が何に困っておられて、それをどう改善したいと考えているのか?できれば、具体的な期待効果を数字で把握出来ればベストです。勿論、お客様の予算も把握することも必要です。これらのテクニックにご興味のある方は、バックNoをご覧ください。
纏めますと、小生の考える営業の誇りとは、「お客様の要望や使用目的を的確に把握し、お客様にとって最も良いと思われる提案を常に行うこと」と愚考しております。
本雑感のきっかけとなった、技術者OBの方とは、上記の話で大いに盛り上がりました。技術者の誇りについても納得いくお話しをお聞かせ頂きました。現役時代は、営業に嫌われる技術と技術に嫌われる営業が、何故、仲がいいのか?と周りに不思議がられていましたが、お互い納得の旧交を温める時間となりました。
以上