コロナ禍の違和感 営業雑感No.98

 今回は、コロナ禍に対する、政府の対応、霞が関の各省庁の対応、地方自治体の対応、マスコミ報道、全てに対して微妙な違和感があり、その正体について考えてみました。

 根源は、TOPのモラル欠如と社会に蔓延している拝金主義にあると考えているのですが、連日の報道では、様々な意見が出されているものの、政府批判や各種指標に関する疑問や解説など、どのチャンネルでも同じような内容です。私自身もそんなものかと考えていました。加えて、不透明な予算処置と対応については「もりかけ」「桜」の延長で、結局、野党は追及しきれず、のらりくらりの答弁と「こちらに非はない」の一点張りで、結局はトカゲのシッポ切りに終わるような気がしていました。特に、この問題を内包しているにもかかわらず補正予算を与野党賛成で通したのですから「むべなるかな」との思いでした。

 ところが、これらについて考えるキッカケを与えてくれたことが、二つありました。

 一つは、北朝鮮拉致問題で政権批判傾向になっていたマスコミや野党に対して、横田ひとみさんの弟さんが家族の立場で、過去においてマスコミが全く取り上げなかった事実や、拉致問題そのものが無いと明言していた野党などに対し、過去を反省しないで政権批判をするのは卑怯という表現を用いたことです。一見、政権擁護ともとれる発言で、小躍りしている方も目に浮かびますが、この発言は、問題の本質をぶれる事なく捉えることを示唆したものと考えました。そう考えると、政府・自治体の対応や、国会での議論は、三権分立に関わる問題だと気付きました。

 もう一つは、前大阪府知事の橋本氏が弁護士の立場から、立憲国家にあるまじき事態と批判したことです。これは、立法の立場にある国会を与野党ともに、強く批判したことになります。殆どの法案が各省庁から提出されてものであり、議員立法が極めて稀な国会では、法律の議論そのものが出来る議員が少ないような気がしてきました。地方自治体に比べて、政府と省庁の関係が根深く、政府と与党が一体化してしまっている現状では国家の根本において、立法と行政が分立出来ていないように思えてきました。流石に先日の司法の独立性については、歯止めがかかったものの、ひょっとすると三権分立の危機のように思えてなりません。

 では、何故、今の状況が生まれたのでしょうか?私の記憶では、このような状況になったのは、小泉政権以降のような気がします。小泉政権時代に派閥解消の掛け声のもと、これまで異なる様々な価値観をもった方の集合体であった自民党が党則優先に変化しました。これにより、政府と与党の一枚板が出来上がりました。それまでは、派閥抗争で総裁・首相が決まっていましたから、与党と政府の関係は、必ずしも一枚板ではありませんでした。現に第一次安部内閣は派閥抗争に敗れて政権を投げ出しました。一度、政権を投げた方にもう一度政権を渡すのは如何なものかとも思うのですが、この議論は、又、別の機会に譲ります。この政府と与党の関係を決定付けたのは、小選挙区制だと思います。一人区で与党と野党の勝敗が決まる戦いは、地域の代表というより国家政党の戦いであり、お手本にした米国のような党員組織と、地方組織をもった政党ではない我が国の政党では無理だったように思えます。その結果、勝ち馬に乗る議員らしからぬ議員が、大量に発生し、彼等は、トップのいいなりになる数合わせの存在でしかありません。おまけに、大臣ポストは専門知識や政治家としての信条に従うものでなく、当選回数による持ち回りとなれば、これらのチルドレンといわれるような議員達は、サラリーマンの役職のように感じているのではと疑いたくなります。勿論、この傾向は、今の野党が政権をとっていた時も同じだと考えます。こうして立法府と行政府が一体化する構図が出来上がったような気がします。ここに輪をかけたのが、政治主導という名目の内閣府の存在だと考えています。

 この状況を変える為には、国会を立法府として機能させる為に、政争ではなく法律の議論になるような国会改革が必要だと思います。加えて、行政職員を縛る法律を厳密に運用することだと思います。法律は既に、今も存在しています。しかしながら、公文書偽造や、情報公開が不健全な状況を許していることに疑問を感じます。さらには、大臣になった瞬間に議員ではなく、行政トップとして公務員規定に従うべきだとも感じています。トップが議員と行政トップの二枚看板で状況に応じて使い分けるのは辞めにしてはどうでしょうか?

 選挙制度改正については時間もかかりますが、憲法違反との司法判断がでているにもかかわらず定数削減を行わない状況を打破し、三権分立を確固たるものにする為にも、小選挙区制の見直しを推進すべきという思いが強くなっています。国民全体が小選挙制導入にやっきになっていた時代とは逆になりますが、コロナ禍を機に、道州制の議論と一緒に新しい選挙制度を考えることも必要ではと思っています。

以上

2020年6月14日 | カテゴリー : 閑話休題 | 投稿者 : csf-ishii