質問上手とうなずき上手 営業雑感No.12

 「話し上手は、聞き上手」という言葉を、小生なりに営業として解釈したのが「質問上手とうなずき上手」です。営業として最も大切なお客様とのコミュニケーションにおいて、お客様から聞き出す能力とお客様に共感を持って頂ける能力が必要と考えています。最近は、御用聞き営業は古臭くプレゼン営業が営業の目指すべき方向という傾向もありますが、小生は御用聞きに徹するのも一つの方法と考えております。お客様をよく理解しタイムリーに回答・提案できる営業であればよく、どちらのスタイルをとるかは、敢えていうなら好みと性格次第と考えます。つまり、御用聞き型ではお客様の要件を正確に把握し素早く的確に答えることが重要であり、プレゼン型では提案内容に対するお客様の反応を聞き出して提案内容を自己評価できることが重要です。従って、特に、お客様から聞き出す能力は必須と考えます。営業に限らずお客様と接する方々もお客様から聞き出す能力を磨いて下さい。

 お客様から聞き出す為には、いい質問が出来るスキルを身につけることが近道というが持論で「質問上手」という表現をしました。本質を突いた端的な質問をぶつけることで、お客様からは「お主 出来るナ」と一目置かれ、信頼関係を築く第一歩にもなります。

「質問上手」になるためには、日頃から質問する癖をつけることが一番です。お客様に訪問する前に、質問事項を予め考えておき、訪問時に必ず質問することから始めることをお勧めします。但し、以下の点に注意して下さい。

①知りたいことを40字程度に纏める

②一回の訪問で出来る質問は3つがMAX

③質問はひとつずつ

 知りたいことを40字程度で整理することで質問の順番や内容も吟味されます。箇条書きのように複数の質問をすることは、商談の場では、よくありません。お客様が答え易いように順にひとつずつ聞くことに心掛けるべきです。いくら質問を絞っていても、お客様のお答え次第では、新たな質問をすることはあります。その際にも、知りたいことに照らして横道にそれることは避けて下さい。面談時間を出来るだけ短時間で終わらせることも、営業が配慮しなければいけないことです。

 次に、お客様に共感を持って頂く能力については、お客様の話しにこちらが共感を示すことが第一歩ですから「うなずき上手」としました。最近は、プレゼンについては基本テクニックなど、沢山、解説されていますが、上手いプレゼンは、ややもすると一方通行になりがちです。営業にとってのお客様への説明は、お客様に共感を持って頂くことが目的でので、プレゼンの上手い下手は二の次です。説明中は、お客様のうなずきを、説明後は、こちらのうなずきに心掛けましょう。営業場面別に注意点を整理しました。

1)商品紹介などこちらがテーマを持ってお客様を訪問する時

 ①伝えたいことを40字程度に纏める。

 ②前回宿題がある場合、テーマとは関係が無くても訪問時点での途中経過と対応状   況を纏める。

 ③お客様からの話には、鸚鵡返しやメモ取りなど、必ずこちらの反応を見せる。

 伝えたいことも、知りたいこと同様に40字程度で纏めておくと内容にメリハリを付けることが出来ます。あれもこれもと話しても聞くほうの印象に残っているのは一言であることが大半です。尚、お客様からの質問などに積極的に反応を見せることで一方的な説明になることを防げます。鸚鵡返しなどは「うなずき上手」の訓練の一つです。

2)質問に回答する時

 ①質問内容を自分の言葉で再確認する。複数の質問が含まれているものは、一つずつに分解して確認する。

 ②最後に、質問と答えを対にして、再度、簡潔に説明してお客様の再確認をとる。

 質問に答える場合、質問の中身を吟味し、お客様がこちらの答えに納得したか?を確認することが必須です。中身の吟味とは、お客様業務に照らして、その質問が、どのような業務に関連して発せられたか?を明確にすることです。それが判らない場合は、こちらから「どの業務のどのような場合に関連しているのか?」等の確認の質問をするしかありません。質問の業務背景を推察できるようになれば、お客様業務に精通したことになり、そのお客様からの共感は得やすくなっています。

3)説明会・デモなど多数のお客様に説明する時

 ①伝えたいこと(主題)を、一文(ONE SENTENCE)に纏める。

 ②同じ資料でも説明時間は、30分、1時間、2時間など複数のパターンを用意する。

 ③参照資料も含め、ページ毎に伝えたいことも一文に纏め、ページ毎の一文を説明順に並べて主題との齟齬の有無や主題に迫る説明順序の妥当性をチェックする。

 通常、様々なセミナーに参加しても頭に残っているのは、多くて数行です。従って、説明する側があれもこれもと欲張っても無意味です。予め伝えたいことを端的に纏めておくことで、説明のメリハリが生まれます。一文に絞るということは、全体説明では、主題に関連づけた説明を繰返しすることになりますので印象が強くなります。提案書など盛りだくさんなテーマを説明する場合でも、主題は最大3文に纏めるべきです。これにより提案におけるこちらの差別化要素を明確にして、お客様にアピールすることが可能になります。尚、説明者が多数になる場合は、必ず、営業がシナリオと配役を決めて下さい。お客様との共感を形成するのは、営業の仕事です。

 商談活動において、提案に向けて判らないことの答えを持っているのは、お客様であることが殆どです。「答えは常にお客様にあり」です。営業行為とは、お客様への質問で始まり、お客様への質問で終わると考えています。「質問上手とうなずき上手」を常に念頭においてお客様と会話をする癖がついてくると営業としては一人前と考えます。

以上

2018年9月17日 | カテゴリー : 営業 | 投稿者 : csf-ishii