営業(顧客要求) 営業雑感NO.389

 今回も「生涯一営業」を掲げる小生の考える営業について、お話しします。前回の製品仕様でも述べましたが、営業知識の基本である「商品知識」と「顧客情報」は密接に関係しています。製品知識だけが詳しくても、製品仕様をお客様の要求に当てはめることが出来なければ、商売には容易には繋がりません。従って、営業活動の第一歩として獲得すべき顧客情報が顧客要求だと考えています。

 最近のネット販売などでは、この顧客要求をアンケート方式で聞き出すしくみを持っている場合が多いです。しかしながら、製品仕様に直結する質問はあるのですが、顧客要求から製品を導き出すようなレベルには至っていません。この分野はAIの主戦場のなるはずですが、まだ、AIが学習する商品情報が整備されていないと愚考しています。その原因は、商品情報の背景となる製品提供付加価値が明示されている商品は少ないと考えています。

 小生は、製品付加価値の定義が最も整っているのは、船舶・自動車・飛行機などの輸送機械と思います。特に、船舶においては、顧客要求についても要求仕様として国際標準が制定されており、この要求仕様に従って設計や見積がなされます。これにより、発注者は、どの造船所に発注しても求めるものが得られることになります。要求仕様整備は、歴史のなせる業かもしれません。輸送機械の提供する付加価値は、いうまでもなく「人や物を目的地まで運ぶ」です。付加価値が判り易いことも関係していると思います。従って、輸送機械の持つ

馬力や速度などを積載物や積載量、移動可能距離などに変換して表現しやすいことに起因していると考えています。

 家電なども少しずつではありますが提供付加価値は整理されつつあります。特に、通販や家電量販店でソリューション販売が実施されるようになってからは、加速度的に整備が進んできたと思います。前回にもお話をしましたが、お客様が判断出来る項目で製品仕様を語ることがソリューション販売の実態と愚考しております。工業を中心とする第二次産業製品については、メーカによる製品付加価値の定義が進みつつありますが、厄介なのは、ソフトウェア製品です。ITの主力であるソフトウェアに関しては、商品として登場してから100年にも満たない上に、次々に新技術が登場しています。従って、製品寿命も10年程度で短いことから無理のないことかもしれません。それにしても、ソフトベンダーが付加価値を自覚出来ていないように思えます。ソフトウェア開発者は「何でも出来ます」型の方が多く、「何でも出来ますは何も出来ないと同義であり、何が出来るかを明確にすべき」という製品付加価値についての基本を理解されている方が少ないようです。

 そんな中で、ソフトウェアからクラウドサービスに商品変革がすすみつつありますので、

お試し使用が進展することに期待をしています。本来であれば製品提供側の責任で明確にすべき製品付加価値ですが、顧客がお試し使用をすることで顧客要求と製品仕様を顧客自身で評価出来る仕組みを提供することが出来るからです。特に、IT製品の基本は、以前からお話をしているように「at your own risk 自らの責任で使用する」ですから相性がいいと考えます。

以上

2026年4月5日 | カテゴリー : 営業 | 投稿者 : csf-ishii