イラン情勢が不安定になり、世界は石油供給不足による経済危機に対応せざるを得ない状況に直面しています。様々な情報が飛び交っており情勢は読めませんが、この状況を生み出したのはイスラエルとアメリカです。というよりネタニアフとトランプだと考えています。プーチン、習近平も含めて絶対君主になりたいリーダが生まれる時代背景があるかもしれません。
今回は、イランについて考えてみます。イランとは20世紀まではペルシャとして歴史に名をとどろかせています。イランと改名したのは、時のペルシャ国王がイスラム化以前のペルシャ復古主義を採用して中央アジアに君臨した民族であるアーリア人からとったとされています。その際、正式に世界中に国名イランとして通知されて我が国でも承認されました。その後、歴史学などでイランとペルシャの使用に混乱があり併用が許されていますが、「イラン・イスラム共和国」が正式名称です。
歴史的には、紀元前のアケメネス朝、アルサケス朝から、サーサーン朝(ササン朝)、ティムール朝、サファヴィー朝と連綿と続いています。その後、イスラム革命によって共和国へと移行しています。小生は、中東の争いを十字軍のようなイスラム教とキリスト教の争いと単純に考えていたのですが、そうではないようです。つまり、中東の多くの国はイスラム教徒が大半ですが、その国体は国王が君臨しておりイスラム革命を歓迎しておりません。むしろ敵視しておりイラン・イラク戦争もソ連によるアフガン侵攻も反イスラム革命の動きでした。
イスラム革命の特殊なところは、キリスト教国家では、国王と民衆の双方と宗教は結びついており、革命とは国王と民衆の戦いであり、キリスト教がどちらかに加担することはありません。つまり政教分離がなされています。キリスト教国家はバチカンだけです。しかしながら、イスラム革命とは宗教家(教祖)が宗徒と共に国王に相対します。更に複雑なのは、イスラム教には、イスラム教国設立を目指す宗派とキリスト教と同じく聖教分離を唱える宗派に分かれていることです。ですから、国王は特定のイスラム教宗派を攻撃することになります。その場合に宗教に関係なく他国と協力して攻撃対象となる宗派を我が国マスコミはイスラム保守派と総称しています。イスラム教徒の多い中東にキリスト教徒の多い米国軍が駐留出来る所以です。
イスラム革命は、我が国の戦国時代の一向一揆と同じです。越前や伊勢では一向宗徒による国も誕生していました。両国ともに信長に滅ぼされていますが、宗徒皆殺しの悲惨な殲滅戦でしたので、イラン攻撃に暗澹たる思いを持っています。尚、イスラエルもユダヤ教を国教とする宗教国家です。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は、神を同じくする一神教ですので、イスラエルとイランが交わることはありません。
最後に、我が国とイランの関係についてです。日本保守党代表である百田尚樹氏の小説「海賊と呼ばれた男」で描かれた出光興産創業者の出光佐三氏が行なった米英石油メジャーによる封鎖を突破してイラン石油の輸入に成功して以降、我が国とは石油利権においては良好な関係を築いていました。この事件は、米国との緊密な関係で利権を得ていた国王がイスラム革命で倒されたことで、石油メジャーがイランのおける利権確保の為に、米英海軍の協力を得て行なった封鎖を破ったものでした。その後のオイルショックの際にも、田中角栄首相がこの友好関係をベースにイラン石油の輸入を強行しました。イランによる現在のホルムズ海峡封鎖は、過去の米英の戦略を逆手にとったものと考えます。今回、我が国はどうするのでしょう?
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