今回はネットワークの原理についてお話したかったのですが、小生は、コンピュータ分野に身を置いていましたので、ネットワークについてはコンピュータのように基礎知識の習得と現場での積み上げがありません。従って、原理を語れるほどの知識が無いと判断しタイトルは仕組みとさせて頂きました。不勉強な点があるかもしれませんがご容赦ください。
小生が初めてネットワークに接したのはコンピュータ間接続です。その頃は、コンピュータ間接続はオンラインと呼ばれており、その手段としては、公衆回線を使用する音響カプラという電話機の受話器を載せてピーという音声に変換したデータを送るものと、モデムと呼ばれる専用装置を専用回線に接続して通信するものの二種でした。
コンピュータに係わるネットワークを大きく変化させたのがLAN(ローカルエリア ネットワーク)の登場です。汎用機時代のコンピュータは、端末の接続は全て専用ケーブルで直結していました。ところが、ディスプレイ端末の普及により、コンピュータが設置された建物内の端末とオンラインで接続された端末を、一挙に接続できる仕組みが必要となり開発されました。コンピュータの世界シェア60%超を誇っていたIBM社が提供した方式がトークンリンクというものでした。ところが、ゼロックス社が米国国防省(ペンタゴン)と共同開発したアーパーネットを商品化したイーサネットを提供し、IBM対抗勢力であったDEC社やHP社がこれを採用しました。トークンリンクはIBM独自商品であった為に、80年代はトークンリンクとイーサネットの戦いがコンピュータビジネスの大きな競争要素として存在していました。
LANが普及するに伴い、LANとLANをつなぐWAN(ワイドエリア ネットワーク)という概念が生まれたことで、全てがインターネットに淘汰されていきます。その流れですが、先ずはフランスIBM社を中心としたグループがOSI基本参照モデルと呼ばれるネットワークの接続に関する標準を作成し、国際標準化機構 (ISO) によって認定されました。この結果、LANとWANというネットワークの範囲の区別だけでなく、あらゆる機器のネットワーク接続についての国際標準が出現します。次に、ゼロックス社がイーサネットの特許を放棄したことで、OSIモデルに従うような形でイーサネットがTCP/IP方式という形で汎用化されました。TCP/IP方式ネットワークはインターネットとして全世界に拡がり現在に至っております。
ここで着目したいのは、ネットワークにおいては、繋げる相手先を認識するしくみと、繋がったことを確認するしくみが必須であることです。この接続のしくみの基礎となるのが、電信電話網では電話番号であり、インターネットではIPアドレスです。以前にもお話をしましたが、電話番号ネットワークとIPアドレスネットワークは並立しうると考えていましたが、どうやら電話番号ネットワークは、用途を限定したなかでのみ生き残りそうです。電話番号ネットワークの唯一の利点は音声品質の良さです。IPネットワークはベストエフォート方式と呼ばれる伝送品質で、道路渋滞と思い浮かべて頂くと判りやすいのですが、データ通信が混み合うと遅くなり、いつも最高の速度を保証するものではありません。音声の場合は音が飛びます。リモート会議で画像が止まることを経験した方も多いのではないでしょうか?従って、電話番号ネットワークは、緊急コールなどでは残ると考えています。但し、それは電信柱に代表されるように全国に張り巡らされた有線式電話線網が存続する限りという期間限定となります。音声品質を確保した電話網の利便性を保つには新たな技術革新が必要と考えます。
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