IT覇権 営業雑感NO.215

 今回は、今後のITを考える為の参考として、IT業界の覇権について考えます。現在、IT企業として注目されているのは、グーグル社(Google)、アマゾン社(Amazon)、フェイスブック社(Facebook)、アップル社(Apple)の4社の総称であるGAFA(ガーファ)です。 GAFA にマイクロソフト社(Microsoft)を加えて、 GAFA M(ガーファム)と呼ぶ場合もあります。これらの企業は全て米国企業です。因みに、GAFAの対抗勢力は、中国のバイドゥ社(Baidu/百度)、アリババ社(Alibaba/阿里巴巴)、テンセント社(Tencent/騰訊)、ファーウェイ社(HUAWEI/華為)の4社です。総称はBATH(バス)です。今後の米中競争については、別途考えたいと思います。

 これまではIT業界は全て米国企業の独壇場でした。最初のIT主役はコンピュータです。全世界60%という圧倒的シェアを獲得したのがIBM社です。競争優位を獲得したものは汎用OSと独自CPUの開発技術でした。その後、コンピュータでは、汎用機がパソコンにとって替わられて、パソコンOSではマイクロソフト社が覇権を握りました。マイクロソフト社の競争優位戦略は徹底したハードとソフトの分離です。ハードはメーカが乱立しておりましたが、最初にIBM社PC部門を買収し、NEC社、富士通社のPC部門も買収したレノボ社がTOPシェアを獲得しています。いうまでもなくレノボ社は中国企業です。中国企業がIT業界でTOPシェアを獲得したのはレノボ社が初めてだと思います。コンピュータが主役の時代は、IT覇権争いも主役が明確で、コンピュータメーカ間の開発競争も処理能力を核とした単純なものでした。

 IT業界が一気に流動的になったのはインターネットの登場によると愚考しております。インターネットは、米国国防省で生まれゼロックス社が商品化しました。しかしながら、ゼロックス社が独占しIT覇権を握ることはありませんでした。なぜなら、インターネットの普及により国際標準という考え方が定着し、フリーウェアが登場、台頭しました。コンピュータ開発で培われたざまざま技術が広く浸透し、IT構築技術はIT企業の差別化戦略とはならなくなりました。替わって情報活用技術が差別化要素となり、ネットワーク上の情報検索エンジンを開発したグーグル社、ネット販売という新しい市場を提供したアマゾン社、SNSという新しいコミュニケーションの場を提供したフェイスブック社、新しい情報端末としてのスマホを開発したアップル社が台頭しています。但し、この四社は、今のところは全く別の分野で市場を構築しており、直接の競合関係にはありません。しかしながら、情報活用技術が差別化要素となるため相互の競争の場も生まれると考えています。四社のなかから、今後、かつてのIBM社のような圧倒的な覇者がうまれないとは限りませんが、個人用と企業用、公共用と一般用のように、情報活用という観点でもう少し市場が整理細分化されてそれぞれの市場での覇権が確立していくように考えております。加えて、AI、大量データ処理、セキュリティ、決済などの技術分野での覇権争いが激化すると思います。但し、シェア争いは、かつての販売量によるものではなく、利用者獲得という多数決になると考えています。更には、これらの技術も技術分野毎にTOPを競うのではなく、情報活用分野別に細分化された市場でTOPを争うと愚考しております。

 一方、ITと関係の深い半導体、通信機器、ITを組み込むことが必須となった家電、自動車、ITを動作させる為には必須となる電力などの分野での技術革新次第では、これらの企業がIT覇権争いに参入してくることも充分に考えられます。

 いずれにしてもIT覇権争いは、インターネット上に溢れている情報を活用するということを競う、これまでとは全く異なる様相を呈してくると考えます。

以上